CMMとスクラム

CMMアジャイルは全く相いれないものであるという誤解がありますが必ずしもそうではありません。
あまり知られていないことですがスクラムCMMレベル3のKPAの多くを満たすという事実があります。
書籍「スクラム入門-アジャイルプロジェクトマネジメント」の「付録E CMM」にスクラムを開発したKen SchwaberがCMMを開発したCMU SEIのMark Paulkと会ってそれぞれがスクラムCMMについてお互いに情報を交換し、比較したという記述があります。

MarkはさまざまなレベルのKPAについて私と検討しました。私たちは、各レベルに対してスクラムがKPAをどのように満たすかを評価しました。Markは楽しそうに驚きました。スクラムは経験的手法を採用していましたが、スクラムのプラクティスを採用すると、CMMレベル2のKPAすべてと、レベル3のKPAの多くを満たすのです。レベル3で満たされないKPAは、プラクティスの制度化に取り組むKPAでした。

また、同じ付録Eに以下の様な表があります。

レベル KPA 評価
要件管理
ソフトウェアプロジェクト計画
ソフトウェアプロジェクト進捗管理
ソフトウェア外注管理
ソフトウェア品質保証
ソフトウェア構成管理
組織プロセス重視
組織プロセス定義
レーニングプログラム
ソフトウェア統合管理
ソフトウェア成果物エンジニアリング
グループ調整
ピアレビュー

図E-1 スクラムCMM

このような事実は驚くべきことではないと思いますが、人によってはアジャイルに対する偏見を取り除くきっかけとなるかもしれません。