次期Visual Studioのコード品質管理機能
開催コース名 MSDN オフラインセミナー 全国ツアー チーム開発編「開発者テストからはじめるチーム開発の実践」[関西][NET] 開催日程 2007/12/10 場所 マイクロソフト株式会社 関西支店 9F セミナールーム
結論を言うとVisual Studio Team System 2008は期待してよいと思います。
今回のセミナーでは開発者によるコード品質管理機能が対象範囲でした。
詳細はMicrosoftのWEBサイトなどで確認してもらったほうが良いですが、新しい機能を簡単に紹介しておきます。
・静的コード分析 −コード規約チェック .NET Frameworkデザインガイドラインによるチェック ビルド時の自動チェックも可能 エラー・ウォーニングレベルなどのカスタマイズ可能 −メトリックス解析 ・開発者による動的検証 −単体テスト 単体テスト用のプロジェクトとテストコードの雛形自動生成 プライベートメンバテストのためにアクセッサー自動生成 テストパラメータをファイルやDBなどで管理可能 −プロファイリング プロジェクトなどを選択して簡単にプロファイル実行 −コードカバレッジ レポート ソースコード上の色分け表示(実行コード行:青、未実行コード行:赤) ・ビルドサーバー −自動ビルド 実行イベントを設定(チェックイン毎、毎日、毎週など) −自動テスト実行 単体テストプロジェクト自動実行 ・ソースコード管理とイシュートラッキングの統合 チェックインの際にバグIDなどのイシューとの紐付けによる変更セット管理
デモを見た印象ではこれらの機能が開発者の日々の作業の中でスムーズに実行できるように非常に高度に統合されている様に感じました。
ただVisual Studio Team Foundation Server 2008と共にVisual Studio Team System 2008を使用しなければこれらのすべての機能を利用することができません。
よほど少人数で小規模な開発でない限り、これらの機能はほとんど必須の様に思っています。
販売価格は不明ですがコストが気になるところです。
私は今までMicrosoftの様な会社がVisual Studioの様な統合開発環境でこれらの提供されなかったのが不思議にさえ思っていました。
どこかの記事で読んだ話ではVisual Studio 2005では品質の問題により当初の計画通りのリリースができずにかなりの機能削減を行った様なことが書いてあったと思います。
確かにVisual Studio 2003や2005は完成度が低く、2008で.NETコンセプトにおける統合開発環境の完成形を見ることになるというように思います。
個人的に興味深いことは、傾向としてスペシャリストのチーム単位が協調するスタイルの開発サイクルにより重点が置かれているように感じることです。
従来のプロジェクト計画に基づいて分割されたタスクの単位による管理といったトップダウンの指向が弱まって、より現場主導で協調作業を効果的に行うという指向が強くなっているように感じます。
アジャイルを推進する立場からするとツールや環境がこのような方向を指向していることは非常に都合が良いです。
さらに都合の良い見方をすれば世の中がアジャイルな方向を指向している様に思ってしまいます。