ソフトウェア品質保証と品質リスク管理

開発各工程におけるテスト結果を品質保証や組織の品質判定基準に使用している場合がありますが、その場合に従来と開発工程に対する考え方の違うアジャイルソフト開発の実施で問題になってしまいます。
ここで考えてみたいのですが、各工程におけるテストの結果は最終的な製品のソフトウェアの品質の保証となるのでしょうか?
例えばユニットテストですべての関数が設計者の意図通りに動作することが証明されたとしても実運用上のソフトウェアの品質が保証されるのだろうかということです。
もちろん各工程で合理的なテストを行えば最終製品のソフトウェアの品質を効果的に高めることができる可能性が高いことは間違いないと思います。
しかしこれはあくまでも設計(ベンダー)における品質リスク管理手法の問題であって品質保証の根拠ではないと思っています。
やはり厳密には最終製品を品質保証の条件に照らし合わせてテストした結果のみが品質を保証する根拠となると思います。
このように考えて現状を見てみると、品質保証のための取り組みと、品質リスク管理のための取り組みと、もっと悪いケースではマネージャ(責任者)が承認を与える(決心する)ための根拠としての取り組みはごちゃ混ぜになっていて、意識として区別されていない様に思えます。
適切なコストで適切な品質を保証するためにはこのあたりを整理して戦略的に考える必要があると思います。
もし仮にソフトウェア品質保証とそのためのリスク管理の取り組みを区別することができれば開発プロセス、もっと言えば開発プロジェクト毎に適切なリスク管理を選択してより効果的な品質保証が実現できるはずです。
私はこのような考え方の基でアジャイルソフトウェア開発における品質保証について研究しています。
具体的な成果が出ればプラクティスとして紹介したいと思います。
もし良い経験やアイデアをお持ちの方は是非とも教えていただきたいと思います。