組織全体の力

組織全体の力というもののパラメータとして組織全体の知識、経験、技術というものを考えた場合、例えば組織全体の知識というものはその構成員個人個人の知識の総和であるとも考えられると思いますが、ここで仮に組織構成員すべてが全く同じ知識を持っていた場合に組織全体の知識はその構成員の人数分に相当する知識があるといえるでしょうか?
知識の質を考えた場合にその総量を表すものは知識要素の集合だと考えられますが、この場合に組織全体の知識の総和は各構成員の知識の和集合だと考えることができます。
この様に考えた場合に組織の構成員すべてが同じ知識を持つことは質的には構成員がどんなに多くても構成員一人分の知識にしかならないことになります。
組織全体として知識の集合を最大化しようと考えるならば各構成員それぞれが異なった知識を身につけてそれが組織として和となる様にするべきだということになります。
このことはダイバーシティ(多様性)の重要性の一つだと思います。
ではなぜ一般的に組織は画一的な教育を行う傾向があるのでしょうか?
それは組織が実行力を最大化(実際には単にコントロール)するためだと思います。
確かに多様な思考を持つ個人の集団をある目的に集中させて実行させることは同じ思考をもつ個人の集団より複雑な要素があって一般的に困難であると言えると思います。
多様な個人の集団を同じ方向に向けるものがビジョンだと思います。組織にとってビジョンが大切であるといわれる所以はここにあると思います。
組織全体の力を考えた場合に、組織の持つ知識や経験などからなるアウトプットの内容とその実行力は積の関係にあるので一方が他方の代わりになるようなものではありませんし、それぞれの影響を考えてバランスをとることが重要だと思います。